九星気学は、日本でもっとも歴史が古く、もっとも知られた占術といっても過言ではありません。年末に毎年販売され、多額の売上高を誇る占い関係の書籍についても、九星気学関連の本がもっとも販売されています。
江戸時代の頃までは、主に家相などを占うための方位術として用いられていました。この方位術は、その人が生まれた生年月日に基づく九星と十二支を基準にして、その人の家相や、縁談相手との相性、その人がこれから仕事などで出向く方角の吉凶を占うために用いられていました。この手法は、現代社会でも用いられています。
そして、大正時代に入ってこの九星術を、九星気学として簡略化してまとめた人物が、園田真次郎です。わかりやすくなったため、この占術は一気に日本全国に広まったと言われています。
この九星気学の特徴は、方位の吉凶を占う点にあります。現代社会でも日本人は、旅行や引っ越し、お墓の位置や、家を建てるときの玄関の位置など、方位についてこだわりを持つ傾向が強く、この点で九星気学は日本人から強く支持されています。
九星気学を構成する要素としては、その人の生年に基づく本命星が挙げられます。例えば1971年に生まれた人は「二黒土星」となります。この本命星は9種類あります。
次に、九星気学を構成する要素として、凶方位が挙げられます。これは5種類あります。有名な言葉で「本命殺」がありますが、これはその人の本命星が運行している方位という意味を示しています。
また、五黄殺は、大きな凶方位であり、引っ越しなどでこの方位に向かうと、その人は凶作用を受けてしまうことを示しています。
さらに、本命星同士の組み合わせにより、その年における相性の良さを知ることもできます。
例えば、ある年においては、二黒土星と相性が良いのは六白金星や七赤金星であり、相性が悪いのは一白水星や三碧木星ということを知ることができます。
最終的に、その年におけるその人の良い方位と悪い方位を知るためには、どの本命星がどの凶方位に該当するのかを知る必要があります。
その図が「丁亥歳方位吉凶早見」と呼ばれるものです。これを見て、その年の自分の良い方角は「東と西だけだ」などと知ることができるのです。
このように、九星気学は吉凶の判断がわかりやすいため、現代社会においても日本人からは根強い支持を得ています。